30歳代からの介護経営マネジメント

部下を持ったら押さえておきたい介護経営知識

反応率の高いチラシづくり

 

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チラシ作り 反応率を調べていますか?

 

デイサービスやグループホーム、介護付き有料老人ホームなど空き状況の発信はしていることと思います。また月々のケアマネへの実績報告を対面で行い、コミュニケーションを取っているという施設もあるかと思います。

 

チラシはせっかくの営業ツール。どのくらい反応率があるのかデータを取っていますでしょうか?「その時にケアマネが新規客を持っていなかったら、問い合わせは来ない」「チラシがきっかけで問い合わせがあったかどうかなんて、分からないのでは」という声が聞こえてきそうです。

 

結論、「チラシの作り方が分からない」が正確な回答かと思います。

 

まずは、施設名、空き状況、連絡先の3点セットからのチラシからは脱出しましょう。

参考になるのは、PANONAの法則。
P:Problem(問題点を明確化して伝える)
A:Agitate(その問題を身近に感じてもらえるように炙り立てる)
SO:Solution(問題の解決策を伝える)
N:Narrow down(そや解決策を得られる人は、限られていることを説明)
A:Action(行動を呼びかける)

従来のチラシでは、NとA以外が抜けてしまっているのです。

 

できれば、「週1回でいいから、利用させてください」「待機させてください」と言われるチラシを作って行きましょう。

 

メリット・デメリット、ベネフィット、利用者の喜びの声、根拠となるビフォアーアフターのデータを掲載して行きましょう。まずはタイトル決めが大事ですね。「◯◯デイサービス」「◯◯デイサービス空き状況」からは脱出しましょう。

 

そんなことを書いていけば、自ずとその媒体は、郵送が適切なのか、対面が適切ななのか、FAX向きなのか、カラーか、単色刷りがいいのかが分かってきます。

 

是非トライしてみてください。反応率のデータを取って何がよかったのか、何が悪かったのかの反省、何日後に反応があったのかもお忘れなく。ノートに記録しましょう。

 

参考図書
不変のマーケティング 神田昌典フォレスト出版

P.S.

空き状況チラシ、ニュースレターは愛情です。

 

しなやかに主張する アサーションコミュニケーション

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あの人、自分の意見をしっかり持っているなー、クレバーだなーと思う、素敵な人が周りにいます?自分の意見を率直に伝え、自分も相手も引き分けに持っていけるような話術があれば実践してみたいですよね。

ここで、紹介するのは、アサーションコミュニケーションです。
(アンガーマネジメント 怒らない伝え方 戸田 久美著 かんき出版より引用)

怒らない伝え方10のポイント(しなやかな主張の仕方)
1)何を1番言いたいのかはっきりさせる
2)自分の本当の気持ちを言葉にする
3)相手の人格ではなく、とった行動に注目する
4)注意するときは、何がどう変わってほしいかを具体的に伝える
5)「私はこう考えています」という言い方をする
6)言葉だけでなく、態度にも気をつける
7)相手と対等の関係で伝える
8)怒りはキャッチボールで伝え合う
9)「自分が正しい」という気持ちで話さない
10)相手の怒りに過剰に反応しない

例)
「先ほどの○○の発言は正直、私はかなしく感じました」(主語を自分にして、本当の気持ちを伝える)
「具体的に、□□で、△△のようにしていただけると助かります」(どうしてほしいか具体的な対処法に目を伝える)
「私も、※※のように動きたいと思いますので」(その理由も伝える)

このように、自分の本当の気持ちを伝えます。日本人はこれが苦手な人が多いかもしれませんね。そして、あくまで相手とWin-Winを模索しながら、具体的にしてほしい行動をお願いします。相手を注意する時は、人格否定するのではなく、改善してほしい行動に注目します。

人は、性格は治せませんが、行動は直せます。褒められていくことで、良い行動は定着していきます。上司・部下に関わらずこれは共通です。攻撃し合うのはなく、認め合い、高め合っていく組織風土づくりが求められます。

あと、分からないこと、知らないこと、やったことがないこと、指導を受けたことがないことは、誰だって未熟です。年齢が高いだけで、すべてが万能なわけではないのです。

アサーティブに主張。実践!実践!

アンガーマネジメント 怒りのコントロール

 

 

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怒りの感情のコントロール
「今ここ」のアンガーマネジメント

アンガーマネジメントって知っていますか?はたまた実践できていますか?介護福祉の現場では、つい怒れてくること、その怒りの感情に罪悪感を自分自身に持ってしまう介護職員もいます。ひどいケースでは怒りが慢性化してしまい、虐待ケースに発展してしまうこともあるかもしれません。虐待は絶対にあってはなりません!また介護職員のス

トレスコントロールの観点からも組織として取り組んでおくべきでしょう。

アンガーマネジメントの対象法
(アンガーマネジメント 怒らない伝え方 戸田 久美著 かんき出版より引用)

対処術1 怒りを数値化する
「スケールテクニック」
怒りを数値化することで、怒りを客観的に把握できるようになる方法です。
期待される効果
・怒りまかせの行動を防ぐことができる
・自分が怒りを感じるパターンがわかってくるようになる

対処術2 思考を停止させる
「ストップシンキング」
怒りが湧いたときに、思考を停止させることで、怒りまかせの行動を防ぐ方法
期待される効果
・どうしたらいいのかを冷静に考えられるようになる
・怒りの感情をリセットできる

対処術3 その場から離れる
タイムアウト
自分自身が感情をコントロールできなくなってきた時に、その場を一旦立ち去る方法
期待される効果
・その場を離れることで、怒りの感情をリセットできる
・これ以上、場の空気を悪化させたくないという時に有効です

対処術5 深呼吸をする
「呼吸リラクゼーション」
怒りを感じた時に、ゆっくりと腹式呼吸をして気持ちを落ち着かせる方法
期待される
・深呼吸することで、副交感神経の働きが高まり、気持ちがリラックスする
・すーっと怒りが抜けていく

対処術6 心が落ち着くフレーズを唱える
「コーピングマントラ
イラッとして時に、心を落ち着くフレーズを言い聞かせる方法
期待される効果
・特定の言葉を自分に言い聞かせることで、気分が和らぐ
・その後、冷静に対処できるようになる

対処術7 今に意識を集中させる
グラウンディング
過去の怒り、未来への負の感情から解放され、今、目の前にあるものに意識を向ける方法
期待される効果
・長く続いている怒りから解放される
・過去に起こった怒りにとらわれ続けている場合にお薦め
・よくない未来を想像しがちなときにも効果的


ここで筆者の一番のおすすめなのが、対処術7の「グラウンディング」です。私は怒りの感情が湧いてきたときによく使っています。私のやり方は、「今ここに」「手放す」をイメージすることを実践しています。マインドフルネスの考え方の一部を参考にしています。私は、川を想像します。その穏やかで雄大な川の流れに身を任せて流れている葉っぱを想像します。葉っぱは次第に下流に流れていき、やがて見えなくなってしまいます。自分の怒りを葉っぱに重ね合わせ、私が感じている怒りは、この広大な川にとってはちっぽけなものだと思うようにするのです。そして最後には、私は「今ここ」にいるとちゃんと帰ってくるのです。

川のほかに、風船を思い浮かべる方法も使います。この風船を胸の中心に感じながら、この風船に怒りの感情を重ね合わせます。次に真っ青な大空に向かって風船を手放すのです。やがて風船はどんどん小さくなって見え、空の彼方にやがて消えてしまいます。そして最後に、私は「今ここ」にいるとちゃんと帰ってくるのです。こんな方法で「グラウンディング」を実践しています。

まとめ
怒りの感情のピークは6秒と言われています。なかなか消えない怒りの感情もあります。気持ちの切り替えは簡単にできるような器用な人はそれほど多くないと思います。いいケア、いいチームワークを発揮するために、職場でも研修で、アンガーマネジメントを是非取り入れてみてください。

介護事故 リスクマネジメント

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介護事故の事後対応について、確認します。

介護事故で最頻発する事故は転倒です。利用者が転倒した際に、転倒を発見した職員がとるべき行動をリストアップしました。他にもあるとは思いますが、一緒に確認していきましょう。

転倒
・意識はあるか
・バイタルサインチェック
・意識低下はあればすぐに医療機関または看護師に連絡
・外傷はないか
・立つことはできるか
・通院、救急搬送時は家族に連絡
・家族には事故状況や対応を詳細に説明する
・記録する

つぎに急変時。文字通り、急にいつもと違う状態に利用者が陥ることです。余談ですが、終末期の利用者が、医師の医学的管理下において、呼吸が止まることは自然なことなので、急変とは言わないと思います。

急変(軽症)
発熱、下痢、嘔吐、頭痛、腹痛、一時的な血圧上昇、尿量減少、転倒後痛みが少なくバイタルサイン安定、擦り傷、打撲、止血により出血が止まっている
・バイタルサインチェック
・判断に迷う場合は医療職に相談し指示を受ける
・家族に連絡
・問題がなければ次の勤務者に引き継ぐ
・記録する

急変(重症)
心肺停止、急激な血圧低下、多量な吐血、多量な下血、呼吸混乱(血中酸素濃度低下)、止まらないけいれん、頭部打撲後の嘔吐、激しい腹痛、胸痛、骨折の兆候、出血が多い外傷
・バイタルサインチェック
・病院搬送が必要と判断したら応援スタッフに連絡
・家族に連絡(搬送する病院を確認する)
・119番で救急搬送を依頼、施設長・管理者に連絡
・記録する

介護事故の第2位で頻発するのが誤薬です。命に係わる場合があり、過失を問われる可能があります。声だし・指さし点検をする、2人以上の職員でダブルチェックするなどして、未然にミスを防ぎましょう。
誤薬
・看護師に報告する
・バイタルサインチェック・経過観察
・受診
・上司・家族に連絡
・記録する

介護事後の第3位で頻発するのが誤えん・窒息です。認知症がある利用者が、食べ物と間違って口にしてしまうと推測される場合は、あらかじめの対策が必要です。
誤えん・窒息
・タッピング
・食べ物をかき出す
・吸引
・背部叩打法(ハイムリック法)
・記録する

虐待。私だけじゃないしでは済まされません。同僚同士でダメ・ゼッタイと言える職場風土が必要です。
虐待
・食事介助時に口の中に食べ物が残っているのに ・目の前に次の食べ物を突き付けている ・立てないようわざと柔らかいソファや後ろの傾きが強い椅子に座らせている ・ほかの人には分からないように強い力で介助したり ・乱暴にあつかう ・威圧的な言動(「勝手に立ったらダメ」と強い口調で言うなど)で行動を制限する ・「くさい」「汚い」などの言葉を本人や他人の前で言う ・本人が操作できない鍵や仕掛けを設け外に出ようと思っても出られないようにする ・わざと冷めたご飯やみそ汁などを出す ・聞こえないふり、見ていないふり、知らないふりをする ・おむつ交換中に下半身を露出させたまま放置する ・お金を使わせない
・利用者の部屋・トイレ・布団などを汚いままにしておく ・必要と思われる医療や受診・治療の機会を提供しない ・本人の希望ではなく管理しやすい(切りやすい、洗いやすい)髪形にする


まとめ
リスクマネジメントは、スタッフ全員で日頃、業務に関連するリスクを把握・コントロールしてリスクが起こりにくくする活動のこと。リスクによる損害や損失の予防や最小化を目指すことです。

初期対応のリスクマネジメントだけでなく、そもそもリスクを回避する対策が必要です。利用者にあるリスクの要因、介助者にあるリスクの要因、環境にあるリスクの要因の3方から思いつくリスクをすべて洗い出して、対策していきましょう。

上司・部下とのコミュニケーションうまくいっていますか?

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上司に聞いてもらえる「伝え方」とは?

上司:「うーん、つまり結論って何?」「結局何が言いたいの?」
なんてことありませんか?伝えたいけど、うまく伝えられない。何から話したらいいか分からない。一度、上司に面倒くさがられて、次から話しかけにくい。なんてことありませんか?

ここでプレップ法を紹介します。

PREP法
ポイント(P ポイント)
理由(R リーズン)
具体例(E イグザンプルもしくはエビデンス(根拠))
ポイント(P ポイント)

この順に伝えてみましょう。
使い方としては、こんな感じです

「今、お時間よろしいですか?」(まずは、クッション言葉)
山田花子さんという利用者の様子がおかしいです」(ポイント)
「花子さんが胸の苦しみを訴えていて、治まらないのです」(理由)
「血圧が高く、冷や汗が出ています。胸から肩にかけて痛みの訴えがあります」(具体例)
「救急車を呼ぼうと思いますが、どうでしょうか?」(ポイント)

このように、まずは結論から伝えて、理由を述べ、さらにその根拠や具体例を伝えていきます。そして最後に結論で念を押します。この伝え方を頭に入れておけば、「結局何が言いたいの?」と言われることを回避できます。

 

部下に嫌がられずに、指導するには?

PNIルールを徹底すれば直言しても大丈夫!

PNIルールとは
P=Positive(ポジティブ)
N=Negative(ネガティブ)
I=Interesting(インタレスチィング)

P(ポジティブ):まず相手の発言を受け止め、良いところを探しましょう
N(ネガティブ):次にネガティブ要素を洗い出しましょう
I(インタレスティング):最後に、このアイディアをもっとよくする、面白くする方法を考えましょう

ほめて、指摘して、気づかせる。いきなりダメだしされたら、誰だって気が滅入るものです。部下は否定されたと思って、次からの提案をためらうようになります。これでは、現場からの意見が上がってきにくくなってしまいます。何でも言いやすい職場の雰囲気を作ることが大切です。

例)
P(ポジティブ):このところはとてもいい方法だね。
N(ネガティブ):この点は少し気になるね
I(インタレスティング):この点は面白いからちょっと掘り下げてみようか

是非、この話し方を使ってみてください。ポイントはIのインタレスティング。答えを言わず、部下の相手の気づきを促すことで、考える力をつけてもらうのもねらいです。

 

「ちゃんと」「しっかりと」では伝わらない

「ちゃんとやってよ」「しっかりと見直しをしないさい」なんてよく言っていませんか?「ちゃんと」「しっかりと」「普通」は人によって受け止め方が違うので、どの程度をどこまで、どのように、いつまでやるのかが分かりません。誰にでも分かりやすい言葉で、具体的に伝えて、やるべきことのズレをなくしていきましょう。

そこで紹介したいのがモルスの法則
MORSの法則
M=Measurable メジャーラブル(計測できる)
O=Observable オブザーバブル(観察できる)
R=Reliable リライアブル(信頼できる)
S=Specific スペシフック(明確化された)

つまり共通のものさしで、意見や指示の食い違いを避ける方法です。時間ややり方、長さ、期限を具体的に伝えます。

例)
「なるべく早くやっておいて」→「明日の3時までに書類にして、僕のところに持ってきて」
「ちゃんと確認しておいて」→「今、この場で電話をかけて、直接担当の山田さんに確認して」

 

最後に
「共通言語」という言葉を聞いたことがありますか?
誰が聞いても同じように理解できる「行動の言葉」にすることです。略語や定義があいまいな言葉、便利な言葉を、相手の理解に合わせて伝えることです。相手が理解できていなかったり、違った意味で理解していたのでは、伝えたことになりません。言っただけです。


かっこいいスローガンより「共通言語化」を

医療・介護福祉の現場でよく使われる言葉があります。
「利用者のことをよく知る」を共通言語化するとどうなりますか?
「利用者に寄り添う」を共通言語化するとどうなりますか?

無能な上司はなぜ無能なのか

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ピーターの法則というものがある(ピーターの法則 創造的無能のすすめ ローレンス・Jピーター著 ダイヤモンド社より)。
・人は自己能力の限界まで出世する。
・無能な人はそのポジションに留まり、有能な人は限界まで出世するがそのポジションで無能化する。
・組織の中では、まだ限界に達していない人たちによって勧められ、機能していく。

悲しいかな我々は組織で出世していくと、その先で無能化するのだ。あなたの職場にも一人はいるのではないだろうか。仕事しているフリをしている上司。本

人は一生懸命のつもりなのでその自覚はない。やたらタバコ休憩が多い上司。干されて窓際族化しているが、今更仕事を辞めることすらできず、定年退職をカウントダウンしているだけの上司。一つの資料を何か月も温め続けている上司。パソコンに向かっているが何の資料を作っているか誰も知らない上司。こんな上司はいないだろうか。

そう、その上司は、昔は優秀だったのである。昔は。だから出世した。長く勤めるだけで価値があったのだ。そのような上司は、自分の過去の栄光を未だに誇りに思っている。例え今は陳腐化していても。組織の中で仕事をしていると、あこがれの上司や先輩がいると成長が早い。しかしそれは、身近な先輩があこがれの存在の場合に限られ、実にあんな上司にはなりたくないといった場合が多いのはないだろうか。

あなたの職場には、キャリアパスやキャリアラダーのようなものがあるだろうか。はたまた、昇給試験のようなものがあるだろうか。キャリア形成のその先に注目してほしい。エスカレーター式に出世していき、その先がマネジメント層や経営層であれば要注意だ。あなたも、あの上司のように無能化してしまう可能性が高いのだ。介護の仕事で初級者、中級者、上級者とレベルアップしていくと、経営者になれるだろうか。だぶんなれない。スキルが別だからだ。もちろん例外はあるだろうか。介護の勉強をしていっても、良い先輩にはなれるが、より管理職になるには別スキルが必要だと考えた方がいい。

だから、あなたは介護の勉強やスキルアップを図りながら、経営や人材マネジメント、運営管理なども進めていかなくてはならない。一人の介護職員で定年を迎えたいなら話は別だ。患者・利用者の処遇の話をして仲間内で盛り上がり、一方では、年功序列で上がっていかない給料に一喜一憂していればいいわけだ。そうでないあなたは、ぶっちぎりの介護のプロフェッショナルを目指すか、ピーターの法則を回避し、有能なマネジメント層への仲間入りを目指すのか、経営者になるか、考え始めた方がいいと思う。営業が嫌いで福祉の道を選んだとか、物相手ではなく人相手の仕事がしたくで介護の道を選んだなどと言うとがいるが、介護の業界は年功序列で給料が上がる介護報酬体系にはないのだ。


ということで、本当に怖いピーターの法則。やはり自己研鑽は欠かせないのが、お分かりいただけたのはないだろうか。さて、介護の仕事に従事する人たちは、何の自己研鑽をすべきなのでしょうか。思い当たるのは、教育スキル、マーケティングスキル、セリングスキル。これらは、事業所の売り上げに直結する。実はこの辺りは本屋にいけば、それらしい知識は学べるのだ。あなたの職場はこれを実践する実験台の場にしてしまうのだ。机上の空論では話にならない。せいぜい飲み会のネタだ。これらを日々の組織内連携と多職種間連携の業務と並行して行っていくのだ。専門バカに陥ってしまっては、ピーターの法則が待ち構えている。

次に経営スキルだが、これは経営者になってみないと身につかないスキルと考えられるので、経営したことのない無能化した上司の話は参考にはならない。自分の会社の経営者、他の会社の経営者の話を聞くのが一番であろう。将来、独立して事業を始めるにしろ、組織で束ねていく存在を目指すにしろ、将来あなたが、何を目指すのかは早い段階から考えておいた方がよいだろう。そして、将来どうするのかを悩み始めるのは30代からだ。がむしゃらの時代はもう終わった。若さで突っ走れた時代ももう終わった。30代のリアルであろう。

最後に、介護の業界は資格社会だ。資格がなければ仕事ができない。上の資格を取得すれば給料が上がる。もしくは高い給料の層に上がれると考えがちだ。資格コレクターも多い。レアキャラになりたければ、やはりキャリアのかけ算なのである。資格の足し算は所詮、資格手当5,000円、10,000円の世界だ。年間で60,000円~120,000円。あなたの欲しい年収に届くだろうか。これが50歳なら?60歳なら?どうだろうか。終身雇用、年功序列の給与体系が崩壊した現代では、キャリアのかけ算の生き方が新しい生き方かもしれない。がんばって、がんばって出世して無能化してしまっては、元も子もないですからね。

行動力で自分を大きく変える

 

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新年、新年度を向かえると今年こそは新しいことに挑戦しようとは、今年は目標を達成したいと思うのはないしょうか。私もそうです。PDCAサイクルのP、プランですね。いつしかDoをすることも忘れ、チェックすることもできず、次のアクショ

ンや振り返りなんでやりようがない状態に陥ってしまいます。

いわゆる“できる人”は、行動が早い。むしろすでに行動してしまっています。一本切れちゃってるんじゃないかというくらいカッコいい生き方をしていると感じる人の共通項です。

動ける人と動けない人の差は、「行動力」と言っても過言ではないでしょう。

人生を成功に導くうえで、重要だと考えられている能力で鍛錬できるのは「自制心」と「やり抜く力」と言われています。

マシュマロ実験(コロンビア大学 ミシュル教授 1972年)
(学力の経済学 中室牧子著 ディスカバー P.90~P.92から引用)
幼稚園児に「このマシュマロをいつ食べてもいいけれど、大人が部屋に戻ってくるまで我慢できたら、2つ食べれるよ」とだけ伝えて、大人が部屋を退出した実験。

186人のうち約3分の1は15分我慢して、2つのマシュマロを手に入れることができたが、残りの3分の2が我慢できずにマシュマロを食べてしまいました。

その後の彼らの人生を追跡調査したところ、彼らが高校生になった時には、かなりの差が生じていることが判明しました。

「やり抜く力」が高い人は、いずれも状況でも成功する確率が高い。
非常に遠い先にあるゴールに向けて、興味を失わず、努力し続けることができる気質であり、才能とやり抜く力に間には相関関係がない。(ダックスワーク教授 ペンシルバニア大学 2007)

そこで、有名な「7つの習慣」。この本を自分に置き換えて解説した本がある。
(やる気があっても長続きしない人の「行動力)の育て方 安藤美冬著 SBクリエイティブより引用」その中の2つを紹介したいと思う。

第1の習慣 「すべては自分から始まる」
悩んでばかりいないで、まず動いてみる。そうしなければ、何も変わらない。
「頑張ればできそう」そんな小さな目標を設定して確実に実践してみる。

「とりあえず」「一応」「まあ」は、口にしない。

第2の習慣 「人生のゴール地点を決める」
3年後にどうなっていたいか具体的に書きだしてみる
「今やっていることは何のため?」と自分自身に問いかける。すべての行動に意味を持たせる。

何のための行動なのか、行動しなければ何も現状は変えられないというのが分かる。


そして、もう一つ紹介したい言葉があります。105歳で亡くなった聖路加国際病院の名誉院長で、作家でもある日野原重明先生の言葉だ。

「いのちとは君たち一人一人に与えられた時間のことだ。今は自分の時間を自分のために使っていい。でも大人になったら、いつか他人のために時間を使ってください。」


そこで、他人のために使える時間を計算したことがあるだろうか。ちょっとシュミレーションしてみたい。

人生100年 876,000時間として、
0歳から20歳 175,200時間(人生の5分の1)
睡眠時間 192,000時間(人生の3分の1)
70歳から100歳(人生の3分の1)
を引くと、残りは、116,800時間なのである。日数に直して4,767日。年に直して13年と4ヵ月なんです。すでにあなたが、30歳を過ぎているとしたら、もっと少ない。あなたはこの時間をどのように使いますか?

仕事しない上司、安い給料、上がっていかない給料、名ばかりの昇格。こんなものに不平不満をこぼしている時間がもったいないように感じませんか?

今こそ、介護福祉の知識を生かして、伏線的に人生を歩んでみてはいかがでしょうか?それがお金になるなら、言うことなし。ボランティア活動や、お住まいの地域の自治活動、PTA、世界的な貧困地域への慈善団体への寄付、災害ボランティア活動、児童養護施設へのボランティア活動などもいいでしょう。

いや、趣味活動でもいい。何かあなたを必要としているコミュニティーに属していることがとっても大切なんです。

愛せない会社で、仕事一筋の人生なんてあり得ますか?家族も大事、仕事も大事、スキルアップも大事、余暇活動も大事、利他的な活動も大事だと思います。人生100年時代に突入しました。戦後、高度成長期、失われた10年を過ぎ、日本は成熟社会に入ろうとしています。物や情報にあふれた社会に始めから生きています。モノ消費からモノ+コト消費がウケる時代です。

学生時代のように待っていても教えてもらえる年代でもありません。手取り足取り新人教育をしてくれる時間的体力も持っている企業は多くありません。自分から行動し、自分を変えていくしか生き残る選択肢はありません。待ちの姿勢では、年収は上がらないのです。副業解禁が一般的になる時代がすぐ近くにきています。転職がいいとか、副業がいいという話ではなくで、介護業界は年功序列で給料を上げていく体制にないのです。